生理前の情緒不安定・うつ気分はPMDDの症状？30代女性はチェック

生理前にひどく落ち込んでしまったり情緒不安定になる人は、もしかしたらPMDDかもしれないわね。PMDDについて、勉強しましょ。

PMDD（月経前不快気分障害）とは

PMDDは、「Premenstrual dysphoric disorder」の略で、日本語では「月経前不快気分障害」といいます。特に、30代の女性に多いといわれているのよ。

月経随伴症状

生理にともなって（生理前も含む）起こるさまざまな、不快な症状のことを、月経随伴症状といいます。その中で、

• 生理中に起こり、日常生活に支障があるものを「月経困難症」と呼びます。
• 生理前に症状が出るものには「PMS」「PMDD」があります。

「月経困難症」「PMS」「PMDD」すべて、治療が必要よ。

PMSとPMDD

PMS（月経前症候群）は、最近かなり知られるようになったわね。PMDDは、生理前に発症する点はPMSと同じなんだけど、「イライラ」「不安感」「落ち込み」などの精神的な症状が強いのが特徴なの。PMSの中で精神症状が重いものがPMDDと考えれば良いわね。

PMDDの症状チェック

PMDDは、海外で診断基準が定められています。
まず、月経前1週間について、次の11項目に該当するかチェックしてみましょ。

1. うつ気分や落ち込みがひどい
2. 不安感、緊張感、どうにもならない、がけっぷちなどの感情がある
3. 拒絶や批判に対する感受性が高くなったり、情緒的に不安定だったり、予測できなかったりする
4. イライラしたり、怒りっぽくなる
5. 趣味や日常活動に興味が薄れている
6. 物事に対する集中力が薄れている
7. いつもより疲れているし、活動性が低い
8. 炭水化物を偏って食べたり、あるものを食べ続けたりする
9. 睡眠過多だったり、睡眠不足だったりする
10. 限界感、自己喪失感がある
11. 月経前に次の5つのうち2つ以上の身体症状に悩まされる
    [乳房が痛い・張った感じ][頭痛][関節または筋肉痛][ふわふわした感じ][体重増加]

①赤字の項目1～4に1つ以上にあてはまる
②1～11のうち5つ以上にあてはまる
③あてはまった項目の大部分は、月経開始後3日以内で消失する
④上記の症状があるとき、日常の活動に障害をきたす

①～④すべてに当てはまると、PMDDの可能性があります。

参考：冊子「PMS」（バイエル薬品株式会社・2015年）

PMDDの治療

PMDDの治療は、投薬や生活指導で行われます。精神症状が主となるPMDDでは、症状によって次のような薬が使われるようね。

• 不眠　→　睡眠導入剤
• うつ状態　→　抗うつ薬（SSRI）
• 情緒不安定　→　精神安定剤
• 腹痛・頭痛　→　鎮痛剤
• むくみ　→　利尿剤
• 身体の諸症状　→　EP配合剤（低用量ピル）
• その他　→　漢方薬、ハーブ等

精神科や心療内科での治療

PMDDはまだ、日本では保険病名として認めてられていないの。だからといって保険治療が受けられないわけではないわ、大丈夫。ただ、精神症状に対する薬の処方を受けるのに精神科や心療内科の受診が必要な場合があるわよ。

精神科などでは、ICD-10（保険病名の元になるWHOの分類）の「他の特定の気分障害」として薬が出されるみたいね。うつ病の一種ということ。

症状チェックでPMDDの疑いがあった人、今悩んでいる人は、すぐに精神科や心療内科を探して行ってみて。行きにくければ、かかりつけの婦人科や女性外来で、まず相談してみましょ！

月経の前だけうつ病になってしまう女性たち―PMDD(月経前不快気分障害)を治す (健康ライブラリー)

posted with ヨメレバ

山田 和男 講談社 2008-07-11

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