昼夜逆転や朝起きられないのは概日リズム睡眠障害が原因か

秋の夜長。本を読んで夜更かしならば良いのだが、
不眠症や睡眠障害で悩む人は年々増え続けている。

睡眠障害というと、睡眠時無呼吸症候群が最もよく知られているが、
それだけではない。

概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害は、睡眠障害の一群であるが、
概日リズムとは、いわゆる体内時計のこと。

つまり、体内時計が狂ってしまって起こる、睡眠障害が
概日リズム睡眠障害なのだ。

概日リズム睡眠障害はさらに6つのタイプに分類される。
中でも多く見られるのが、

• 睡眠相後退型（睡眠相後退症候群）
• 非同調型（フリーラン型、非24時間睡眠覚醒症候群）

の2つだ。

睡眠相後退型

睡眠相後退型（睡眠相後退症候群）では、
明け方近くにならないと寝付けず、昼まで目が覚めない。
まさしく昼夜逆転状態である。

努力してもこの状態から抜けられず、社会生活に支障をきたしてしまう。
思春期に発症することが多い病気だ。

非同調型

非同調型（フリーラン型、非24時間睡眠覚醒症候群）では、毎日1時間程度ずつ睡眠のリズムが後ろにずれていく。
つまり、日に日に寝る時間が遅くなっていき、
そのサイクルが24日～30日ほどで、一周してしまうのだ。

これは、人間がもともと持っている体内時計が24時間より長いことと、
朝の光を浴びないことが原因となる。

非同調型の患者の多くは、全盲者などの視覚障害者である。
これは、体内時計と光が深くかかわっていることを表しているといえるだろう。

視覚障害者以外では、
昼夜逆転生活を送った後に、非同調型となる患者もある。

非同調型も、思春期に発症することが多い。

いずれのタイプも、治療には投薬のほか、
強い光を一定時間浴びる、光療法などが用いられる。